14番目の項目「他のどこにも分類されない衝動制御の障害」

Mental Disorder
01 /10 2013
 まずは、1月10日に結審したニュースを読んで頂ければと思います。

「判決直前また万引き、被告に実刑 やり直し裁判員裁判」

 強盗致傷事件の判決直前に、再び万引き事件を起こした被告の裁判員裁判で東京地裁は10日、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡した。
大善文男裁判長は「法廷で反省のことばを話したはずなのにまた事件を起こした。弁護士は『病気が原因だ』と主張するが、再犯の恐れは否定できない。
服役して罪の重さを自覚した後、治療を受けるべきだ」と述べた。

 東京都武蔵野市の卸売業・安村信男被告(49)は昨年2月にスーパーで万引きした後に車で逃げようとし、保安員らにけがをさせたとして起訴された。

昨年11月7日の裁判で安村被告は「二度と万引きをしない」と誓って結審。ところが、同日午後、保釈中の安村 被告は都内のスーパーで弁当などを盗んだとして逮捕された。

 このため、裁判員は4日間で任期を終えるはずだったが、約2か月を経て改めて審理する異例の事態に。東京地裁では初めて裁判員裁判の審理がやり直しとなっていた。

 2カ月ぶりに再開された審理も、前と同じ裁判員が担当。安村被告は「私の再犯のため、裁判員の方の貴重な時間を割いていただき、申し訳ありません」などと謝罪した。

 被告人質問では「衝動的に物を盗んでしまう病気なので専門施設で治療させて欲しい」などと説明。

 弁護側は「被告は盗み癖のある病気だ。治療をしなければ、再犯は防げない」と保護観察付きの執行猶予判決を求めた。

 一方、検察側は「病気のせいにして、反省していない」と非難。昨年11月に懲役5年を求刑していたが、改めて懲役6年を求刑していた。

(上記は、1月10日の朝日新聞朝刊より抜粋し、一部加筆したものです。)



 ちょうど、その前日に万引きなどの犯罪が止められない「他のどこにも分類されない衝動制御の障害」についてのコラムがあったので、この裁判を意識したものだと思います。

 一般的な「市民」の感覚として『検察側は「病気のせいにして、反省していない」』とするのは、確かにあると思います。否定はしません。否定できないと思います。被告は自らの道義的責任を鑑み、大いに反省すべきだと思います。

 ただ、もう1つ重要なのは「他のどこにも分類されない衝動制御の障害(DSM-Ⅳの14番目の分類)」という精神疾患を原因として、被告が罪を犯してしまったという事実もまた、存在するからです。

 筆者は、検察側の主張する「病気のせいにして、反省していない」という言葉には『身につまされる』思いでした。筆者も現在、双極性障害の軽躁病相における行動を「病気のせいにして、反省していない。いつ、また迷惑行為をするか、分かったもんじゃない!」と一部の方から言われていますので。道義的責任はあるので、筆者はしっかりと反省し、常にそのことを考え、どのように道義的責任を負うべきか(誇張した言い方ではありますが)、日々忘れずにいます。

 以前も発達障害の弟が姉を殺す事件で「家族が同居を望んでいないため障害に対応できる受け皿が社会になく、再犯の恐れが強く心配される。許される限り長期間、刑務所に収容することが社会秩序の維持に資する」という判決がありました。当時は、筆者はこの判決に強い怒りと裁判員に対する憎しみの感情を持っていましたが、今は違います。確かにそうなんだと思っています。

 その判決に対する怒りと憎しみはありませんが、同じく精神疾患を患う市民として、その人に対し、その人の更生にどう関わるか、例えば、筆者がおよぶ範囲で、あまりにも小さい範囲ですが、精神疾患に関する蒙を啓くとか、そんな小さな行動が、微力ではありますが、被告の更生に貢献する義務を、ほんのすこしですが果たせるかもしれない、と思い行動しようと努力しています。

 なぜ、そういう行動をとろうとしているのか、ですが、それは、先ほどから述べている『市民』の権利と義務というものを筆者なりに考えているからです。

 少なくとも、筆者は『「市民」とは都市あるいは国家において、都市あるいは国家に自分の存在を主張する権利があると同時に、都市あるいは国家の構成に責任を持つ義務がある者を指す』であると学びました。

 例えば、選挙で投票する義務がありながら投票にいかず、政治への不満ばかりを述べる、とか、税金を払わずに福祉の拡充を主張する、こういう権利ばかりを主張する人は『市民』とは呼びません。『私民』と言います。

 すなわち、今回の裁判に対し、『市民』の感覚から判決を下す(すなわち法に乗っ取って権利を主張する)のであれば、被告が更生するために『市民』としての義務を果たす必要があるということです。

 それほど『市民』とは重いものであると筆者は思っています。

 繰り返しますが『市民』感覚として、今回の判決を是とするのはかまいません。否定もしません。

 ただ、どのような形で被告の更生に対する責任を負い、そして、社会復帰ができるようにしていくのか。

 この裁判の判決を通じて、『市民』ということの意味を、少しでも考えていただければ、筆者としては大変嬉しいと思います。

                                            Fin
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クロサワウヅキ

性別:男
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20代前半でForceに目覚める。
その後、SithのDark Lord〝Darth Ruin(Ⅱ)〟を襲名
というStar Warsのコアなファン

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