『ブラックジャックによろしく』をよろしく

日常から
01 /30 2013
 『ブラックジャックによろしく』が連載開始となった時ですが、手塚治虫の『ブラックジャック』の著作権に抵触してるんじゃないかという話題が取り沙汰されたように思います。

 しかし、この騒ぎは虫プロダクション(だったと思います)から、著作権に抵触しないとの声明が出て、逆にマンガ『ブラックジャック』より幾つかの作品を抜粋した『ブラックジャックこそよろしく(だったように記憶しています)』が出版されたことで、騒ぎがおさまったように記憶してます。漫画界の巨匠故手塚治虫氏の懐の深さを印象付けましたね。

 さて、『ブラックジャックによろしく』なんですが、当時はとても読み続けられない...と読むのをやめてしまいました。

 それは、あまりに衝撃的だったからです。夜もうなされるほどの衝撃でした。山崎豊子氏の『白い巨塔』に代表される、世間から孤立した印象を持つ医局制度などの医学界は、やはり隔絶の感を否めません。

 しかし、だからと言って、医学が世間から隔絶された存在かと言うと、そうではないと思います。実際に、筆者の一族には何人もの医者がおり、医学会に比較的身近な存在です。

 なにより、身体的障害と精神的障害とを持つ筆者は、医学によって、それなりの生活を営めるからです。もし、世が世なら、筆者はまず身体的障害によって、それなり生活を送ることすら危うかったでしょう。もしかしたら、今、生を享受することすら困難だったかもしれません。

 さて、マンガ「ブラックジャックによろしく」の作者・佐藤秀峰氏は、同作の二次利用を昨年9月15日からフリー化することなり、電子ブックでも無料で読めるようになりました。

 そこで、衝撃を受けて夢でうなされることを承知の上で、久々に読んだのですが、そこでふと思ったのが佐藤秀峰氏が、なぜフリー化したのか、ということです。

 あくまでも私見です。フリー化することで、医学界というものを知ってもらうと同時に、誤解と偏見に満ちた患者への一方的な差別を少しでも払拭できれば...と思ったのかも...というか、そうであって欲しいと思いました。

 特に、第9巻より描かれている精神医療のことについては、まさに、その問題点を深くえぐりとるようなものとなっています。

 筆者は身体障害者のみならず、昨年9月から精神障害者の仲間入りをしました。正直なところ受け入れ難い、あまりにも残酷な事態でした。なぜ、自分だけこのような負荷を背負わされるのか、と今も時々苦しみます。

 ただ、改めて『ブラックジャックによろしく』を読んだ時、(まあ少し傲慢な言ですが)我が事と感じ入り、あまり拒否反応を示さずに読み通すことが出来ました。

 マンガはとてもお手軽な読み物です。普通の本を読むよりははるかに入りやすいでしょう。ですからマンガと侮らず、是非読んでほしいと思わずにはいられませんでした。

 筆者は精神障害といっても入院が必要なものではなく、仮に入院したとしても、間違っても閉鎖病棟に行くことはないでしょうが、精神科というものを知る意味では、第9巻から第13巻までは是非読んでほしい、そう思います。

 障害者は健常者から見れば、どうしても偏見や差別の対象とはなります。たぶん、それは決してなくなりません。なぜなら、障害者という、いわゆる弱者を見下すことでしか自分のアイデンティティを確立できない人が、少数ではありますが、必ず存在するからです。

 そういう形でしかアイデンティティを確立できない人と障害者は、相容れない存在ではありますが、光があれば影があるように、表裏一対のものとして、必ず存在します。筆者もそれは承知していますので、誤解と偏見による差別の根絶などと、日本○○党のようなことは言いません。

 しかし、あくまでも、そういう人がマイノリティであって欲しいと思うからこそ、この機会に是非『ブラックジャックによろしく』を読んでいただければと思います。
      
                                                  Fin
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クロサワウヅキ

性別:男
年齢:アラフォー

20代前半でForceに目覚める。
その後、SithのDark Lord〝Darth Ruin(Ⅱ)〟を襲名
というStar Warsのコアなファン

なお、メンヘルへの誹謗・中傷は許しません。