ネットの向こう側 その2

日常から
02 /07 2013
 『When Your friends betray you…sometimes the only people you can
 trust are strangers!』


 熱烈な洋画ファンなら、このセリフをよく御存じかもしれません。これは1998年に製作されたワーナー・ブラザーズの映画『The Negotiator(交渉人)』の一場面です。

 究極の選択や決意など、ともかくどうしようもない状況下におかれた時、人間はその本質をさらけ出す...これは筆者の私見です。

 その人の周囲を取り巻く人達も同じです。その人に対し、何らかの判断を迫られた時、その人に対する潜在的な意識は露骨に出てくるものです。

 『A friend in need is a friend indeed.』という故事があるように、本当に困った時、手を差し伸べてくれる人こそが、本当に友と呼べる存在であるという事です。

 例えば、〝うつ病〟や〝双極性障害〟、また〝統合失調症〟でもいいです。少なくとも、周囲から見えるその人が理解できない状況になった時、躊躇するのは当然のことだと思います。

 ですが、これらの精神疾患は、その根底に[身体的脆弱性]があり、そして[心因的要因]等をきっかけとして、顕在化しただけであり、根源的・本質的なものは何一つ変わっていないと思います。

 理解できないとは、その人の根源的・本質的なもの(例えば人格)を理解していなかっただけ...とも言いかえることができるのではないかと筆者は思うのです。

 いまや8人に1人が罹るという〝うつ病〟に運悪くなってしまった時、その人を取り巻く環境(主には友人関係や家族関係)はとても変化してしまうと思います。筆者もそうです。

 そうして、社会に心を閉ざし、引き籠る人もいることでしょう。彼らがなぜネットというVirtual spaceに依存するかというと、Real worldに対して信頼を失うからです。それは先の「友人(仲間)が信用できなくなった時、信頼できるのは他人」なんだと感じるからでしょう。

 ネットという扉を通じて、他人とつながることに依存すること、それは、インターネットが信頼できる他人を探す便利なツールであり、社会と自分とをつなぐ最低限の絆となりうるからだと思います。それを単なるネット依存と片付けていいのか、筆者はときどき疑問を感じます。

 人と人とのつながりが希薄になったためネットにのめり込む人が増えたと論じる人もいますが、筆者は違うと思っています。むしろ、信頼を構築できる人が少なくなったという事の方が正しいのではないでしょうか。

 「そういう信頼関係を築くことが大切なんじゃないの」とか「コミニュケーションを学んでいなかったから信頼関係が築けないんだ」と言う声も聞こえてきそうですね。それも一理ありますが、これは反論の余地すら与えない(筆者のきらいな)正論です。

 「信頼関係を築くこと」や「コミニュケーション」について、学校では習えません。自ら学ぶしかないのです。そこに得手不得手が生じて当然でしょう。それは語学は得意だけど数学は苦手、ということとなんら変わりません。

 日本の教育方針では少なくともある程度の学力レベルに達するまでの知識を習うことができます。そしてその先、例えば専門的な知識は自ら学ぶものです。「信頼関係を築くこと」や「コミニュケーション」も同じではないでしょうか。むしろ習うことができないので語学や数学よりも厄介かもしれませんね。

 しかし、ようやく信頼関係を構築したという人から裏切られるということは、おそらく誰しもが経験することでしょう。もし経験したことがないと言う人がいれば、よほどのお人よしではないでしょうか。

 よく考えてください。裏切りという悲劇的な物語で一番思い浮かべるものは何でしょうか。裏切り者としてよく引き合いに出されるのは誰でしょうか。お国柄にもよりますが「Judas」ではないでしょうか。

 裏切りは必ずあるものであり、それを「そういう信頼関係を築くことが大切なんじゃないの」とか「コミニュケーションを学んでいなかったから信頼関係が築けないんだ」と非難するにはあんまりではないかと思うのです。

 激烈なまでの競争社会の中、社会全体からも裏切られた「ロストジェネレーション世代」とか「氷河期世代」とか憐れみを込めて呼称される人達がいます。筆者はその第一期生(?)です。

 そういう人達が、社会を信頼し、人と人との信頼関係を築くなんてかなり無理がありますよね。まして偏見や差別の強い〝うつ病〟とかになれば、難易度は飛躍的に高まることでしょう。

 それと相まって広まったネット社会、そこにReal worldの〝友人〟ではなく、どこの誰かは分からないけどネットの向こう側にいる〝他人〟に信頼をおくという土壌が醸成されるのは必然だと思います。

 このまま続けていくと社会体制非難と言う政治臭が匂いそうなので、これ以上深く追求することは止めます。適度な人間関係、ほどほどの距離感、間合いというものをもう少し習うチャンスがあればいいと思います。

 例えば、それは以前紹介した『8人に1人が苦しんでいる!「うつ」にまつわる24の誤解(精神科医 泉谷閑示著)』『「ウツ」が治るとは、元に戻ることではない――新しく生まれ直す“第2の誕生”』という話と通じるものではないかと思います。

 長い時間をかけ、本当の意味で信頼関係とは何か、自分と他人との距離感、間合いをもう一度見つめなおすこと等が、〝うつ病〟などの[身体的脆弱性]の顕在化させる[心因的要因]を緩和させる手法を見出すことではないかと思います。

 それまでは、時間をかけて、時には引き籠り、ネットに依存し、Real worldの〝友人〟ではなくVirtual spaceの〝他人〟と語り合うのは決して否定されるものではないと思います。

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クロサワウヅキ

性別:男
年齢:アラフォー

20代前半でForceに目覚める。
その後、SithのDark Lord〝Darth Ruin(Ⅱ)〟を襲名
というStar Warsのコアなファン

なお、メンヘルへの誹謗・中傷は許しません。